プロップトレーディング用語辞典
プロップトレーディングの言葉を、取引や報酬の仕組みと結びつけて解説する。数値例は説明用で、特定のファームの条件を示すものではない。
プロップトレーディング
会社の自己資本を使って利益を狙う取引を指す。従来は、会社に所属するトレーダーが会社の資金と設備で売買する形が中心だった。
現在は、オンラインでトレーダーを募り、評価プログラムの成績に応じて報酬を支払うサービスにも使われる。評価を突破した後もシミュレーション環境で取引を続け、そのデータを会社が活用する形もある。
「運用資金100K」という表示だけでは、実市場に同額が入金されているとは判断できない。実際の取引環境、会社が使う資金、トレーダーが受け取る報酬は、それぞれ別の話になる。
CFD
値上がり・値下がりで生まれた差額を、お金でやり取りする商品。CFDはContract for Differenceの略で、日本語では差金決済取引という。金そのものを受け取るのではなく、売買した価格の差が利益や損失になる。FX、ゴールド、インデックスなどを対象にした商品がある。
一般に、取引業者とあなたが直接売買する「相対取引」の形を取る。取引時間、ロットの大きさ、スプレッド、スワップなどは提供元や銘柄で異なる。同じゴールドでも、口座が変われば必要証拠金や取引コストが変わることがある。
プロップファームのCFDプログラムでは、商品がCFDであることと、口座がデモかライブかは分けて扱う必要がある。同じ銘柄を表示していても、評価用シミュレーションか実資金の取引かは口座の契約で決まる。
関連コラムを読む先物
将来の決まった時期に、金や株価指数などを決められた条件で売買する契約。取引所先物では、1枚が表す数量、最小の値動き、契約の期限などが銘柄ごとにそろえられている。契約の対象になる金や指数などを「原資産」と呼ぶ。
たとえば同じインデックスを対象にしていても、CFDのロットと先物の契約枚数はそのまま置き換えられない。1枚当たりの値動きの金額と、必要証拠金は、銘柄の契約仕様で決まる。
限月が変われば取引する契約も変わり、取引時間も商品ごとに違う。先物を扱うプロップファームでも、評価口座はシミュレーションの場合があり、ライブ移行の条件は別に定められる。
関連コラムを読むティック
銘柄に定められた価格変動の最小単位を指す。「1ティックの値幅」と、その値動きで生じる「1ティック当たりの損益」は区別する。
仮に1ティックが0.25ポイント、1ティック当たりの損益が1枚で1.25ドルの契約なら、8ティック逆行すると1枚で10ドル、3枚で30ドルの損失になる。これは手数料などを含めない説明用の例。
異なる先物ではティックの値幅も金額も変わる。同じティック数でも、銘柄や契約サイズが変われば損益の金額も変わる。
関連コラムを読むmini・micro
標準的な契約よりも小さい契約サイズを表す名称。小さい契約を使うと、同じ値幅のストップでも1枚当たりの損益を小さく調整できる。
たとえばCMEのMicro E-miniインデックス先物は、対応するE-mini契約の10分の1のサイズになっている。ただし、すべての銘柄や取引所でminiとmicroの比率が同じとは限らない。
プロップファームでは、micro何枚をmini1枚相当として数えるか、同時保有上限をどう合算するかが定められることがある。契約仕様とファーム側の枚数制限を両方確認する必要がある。
関連コラムを読む限月・ロールオーバー
限月は、先物契約の満期が属する月を指す。同じ原資産でも、満期の異なる契約は別の銘柄として扱われる。
ロールオーバーは、保有や取引の対象を期近の契約から次の限月へ移す操作を指す。古い契約を決済して新しい契約を建てる場合、限月間の価格差や売買コストが生じる。
出来高が次の限月へ移る時期と満期日は同じとは限らない。評価サービス側が決める取引可能限月や強制決済の時刻も、実際に注文する契約と合わせて確認する必要がある。
関連コラムを読む取引プラットフォーム
チャートの表示、注文、ポジション管理、損益の確認などに使うソフトや画面を指す。MT5、cTrader、TradingViewなどが知られている。
分析できる画面と、実際に注文を送れる画面が一致するとは限らない。TradingViewのチャートが見られても、その口座へ直接発注できるかは接続先と契約次第になる。
同じソフトでも、接続するサーバーや口座で銘柄、取引時間、手数料が変わる。対応ソフト名だけでなく、購入プログラムで使える接続方法まで確認する必要がある。
関連コラムを読むチャレンジ料・参加費
評価プログラムや関連サービスを利用するために支払う費用を指す。取引口座へ預ける証拠金とは異なり、表示資金の一部を自分で入金する仕組みでもない。
買い切り型のほか、継続中に月額料金がかかる形や、合格後に追加費用が必要になる形もある。リセット、データ配信、プラットフォームなどの費用が別途必要になる場合もある。
「返金あり」という案内でも、合格時ではなく初回報酬の受け取り時など、条件が付くことがある。再挑戦時の費用と、返金の条件・時期は、契約ごとに異なる。
関連コラムを読むデモ口座
仮想の資金を使い、価格データなどに基づいて売買結果をシミュレーションする口座を指す。画面に利益が出ても、その数字自体が銀行口座へ引き出せる預金になるわけではない。
プロップファームでは、評価中だけでなく、突破後の報酬対象口座もデモ環境の場合がある。その場合の報酬は、実際の口座資産の引き出しではなく、契約に基づく支払いになる。
約定やスリッページの再現方法は環境によって異なる。デモで出た成績が、そのまま同額のライブ取引で再現できるとは限らない。
関連コラムを読むライブ口座
実市場へ注文を出す取引に使う口座を指す。プロップファームが用意する場合は、会社側の資金やリスク管理の下で取引する形になる。
評価を突破すれば必ずライブへ移るとは限らず、移行の審査、取引実績、最大枚数などの条件が付く場合がある。「資金提供済み」という名称だけでは口座の実態を判別できない。
資金の所有者、注文を出す主体、損失負担、停止条件、報酬の計算方法は契約で決まる。口座の表示名と、契約上の取引環境を分けて確認する必要がある。
関連コラムを読む残高・バランス
入出金や決済済みの損益などが反映された口座の金額を指す。保有中のポジションの含み損益は、通常は残高に直接含まれない。
残高が100,000ドルで、保有ポジションに2,000ドルの含み損がある場合、残高が100,000ドルのままでもエクイティはおおむね98,000ドルになる。手数料やスワップなどの扱いによって実際の表示は変わる。
残高だけを見て「まだ失格ラインまで余裕がある」と判断すると、含み損を含む判定を見落とすことがある。ルールが残高とエクイティのどちらを使うかを確認する必要がある。
関連コラムを読むエクイティ
口座の残高に、保有中の含み損益などを反映した金額を指す。取引環境によって、手数料、スワップ、クレジットなどの反映方法も関わる。
残高100,000ドル、含み益1,500ドルなら、その他の調整がなければエクイティは101,500ドルになる。含み益が消えればエクイティも下がるため、未決済の利益は確定利益と区別する必要がある。
ドローダウンの判定や証拠金の計算に使われる。日次の基準額を決める時点と、取引中に失格を判定する時点で、使う金額が異なる場合もある。
関連コラムを読むドローダウン
資金が、ある基準の金額からどれだけ減ったかを表す指標。金額や割合で示される。一般の運用成績では、資金のピークからその後の落ち込みを測る場面が多い。
プロップファームの失格ルールでは、開始資金からの下落、過去の最高残高からの下落、日初のエクイティからの下落など、独自の基準が使われる。名前が同じでも計算方法は一つではない。
許容ドローダウンが10%でも、毎回10%を失ってよいという意味ではない。基準額、含み損益の扱い、到達した時点で違反になるか、日中と日末のどちらで判定するかを組み合わせて確認する必要がある。
関連コラムを読むデイリーロス
1日の損失に関する上限を指す。デイリーロス制限とも呼ばれる。「1日」の区切りは日本時間の午前0時とは限らず、ファームや取引サーバーの時刻を使う場合がある。
仮に日初の基準額が100,000ドルで、そこから5,000ドルの損失を上限とするなら、判定ラインは95,000ドルになる。ただし、当日の確定損益や含み損益をどう合算するかは個別のルールによって異なる。
ラインへの到達で口座が失格になる形と、その日の取引だけを停止する形がある。翌日に基準が更新されても、口座全体の最大ドローダウンまでリセットされるとは限らない。
関連コラムを読む固定型・追従型ドローダウン
固定型は、開始資金などの決められた基準から失格ラインを定める方式。追従型は、残高やエクイティの高い水準に合わせて失格ラインが引き上がる方式。
仮に開始100,000ドル、許容下落4,000ドルなら、固定型のラインは96,000ドルになる。同じ幅の追従型で基準の最高値が103,000ドルへ上がると、ラインが99,000ドルへ上がる設計もある。これは仕組みを示す例。
追従の更新が取引中か日末か、何を最高値として使うか、どこで追従が止まるかはプログラムごとに違う。利益が増えても、自由に使える損失幅が同じだけ増えるとは限らない。
関連コラムを読むプロフィットターゲット
評価の突破や資金枠の増額に向けて、達成が求められる利益の目標を指す。金額または開始資金に対する割合で示される。
開始資金100,000ドルに対するターゲット8%なら、目標利益は8,000ドルになる。通常は必要な利益が確定しているかも判定に関わり、画面上の含み益だけで達成と扱われるとは限らない。
ターゲットに届いても、最低取引日数、一貫性ルール、ドローダウンなどの条件が残る場合がある。評価段階が複数ある場合は、各段階の目標と資金のリセットも確認する必要がある。
関連コラムを読むレバレッジ
証拠金に対して、どれだけ大きな取引規模を扱えるかを示す比率。たとえば100倍なら、単純化すると1,000ドルの必要証拠金で100,000ドル相当の取引を持つ計算になる。
レバレッジが大きいほど、同じ取引規模に必要な証拠金は小さくなる。一方、同じ価格変動と同じ取引数量なら損益額は同じで、レバレッジを上げるだけで手法の優位性が増すわけではない。
表示上の最大レバレッジと、失格までに許される損失幅は別の制約。プロップファームでは証拠金に余裕があっても、ドローダウンや銘柄別の数量上限が先に制約になることがある。
ロット・契約枚数
取引数量を表す単位。CFDやFXではロット、取引所先物では契約枚数を使うことが多いが、1単位が表す数量は銘柄の仕様で決まる。
必要な損切り額は、おおむね「損切りまでの値幅 × 1単位当たりの値動きの金額 × 数量」で考えられる。実際には手数料、スプレッド、スリッページなども加わる。
同じ1ロットでも、FXとゴールドで同じ損益になるわけではない。取引数量には、銘柄の契約仕様、ファームの最大保有数量、ドローダウンの制限がそれぞれ関わる。
関連コラムを読むスプレッド・取引手数料
スプレッドは売値と買値の差で、取引手数料は注文や約定に対して別途かかる費用を指す。どちらも最終的な損益を左右する取引コストになる。
手数料無料でもスプレッドが広い場合があり、狭いスプレッドの口座で往復手数料がかかる場合もある。片道か往復か、1ロット・1枚当たりかをそろえて比較する必要がある。
指標発表や流動性の低い時間帯では、スプレッドや約定状況が変わることがある。小さな利幅を狙う手法ほど、平均的なコストだけでなく、取引する時間帯の条件も成績に影響する。
関連コラムを読む評価・チャレンジ
ファームが定めた取引条件に沿って、トレーダーの成績やルール順守を確認する段階を指す。通常はプロフィットターゲットと損失制限が組み合わされる。
1段階で終わるもの、複数段階を順に通過するものがある。取引日数、銘柄、ニュース時の注文、週末持ち越しなどの条件は、プログラムごとに異なる。
数字の達成だけで自動的に報酬が確定するとは限らない。本人確認、取引内容の審査、契約などを経て、報酬対象の段階へ進む設計もある。
関連コラムを読むプロフィットスプリット・報酬率
報酬の計算対象となる利益を、トレーダーとファームでどう分けるかを示す割合。報酬率80%なら、対象利益1,000ドルに対してトレーダーの取り分は800ドルになる計算。
この割合は表示資金全体に対する利回りではなく、評価中の利益がそのまま報酬になることも意味しない。手数料や調整を差し引いた後のどの利益に適用するかが契約で決まる。
増額や実績によって率が変わる場合もある。受取額は、報酬率だけでなく、報酬上限、申請日数、口座に残す金額などの契約条件でも変わる。
関連コラムを読む報酬・ペイアウト
契約に沿って、条件を満たしたトレーダーへ支払われるお金を指す。口座に表示された利益と、申請可能な報酬額は必ずしも一致しない。
初回申請までの日数、最低申請額、利益獲得日、一貫性ルール、本人確認などが条件になる場合がある。申請できる状態、審査が済んだ状態、実際に入金された状態を分けて捉える。
報酬を引き出すと、口座に残る損失の余地が小さくなる設計もある。受け取り方法、送金や為替の費用、申請後の残高と失格ラインの関係まで確認する必要がある。
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確認日:公式資料 2026年10月30日